セカイと僕の相性は

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最近の音楽は・・・論に対して -Spotifyからみる現代音楽メディアのありかた-

こんにちは、久々です。

今日は、ぼっちライフを支える音楽について書こうと思います。

CDが売れないと言われるようになって久しいですね。AKBの握手券商法やアイドルブーム、二次元の架空バンドの音源デビュー、ボカロブーム、相変わらずのジャニーズ人気などでヒットチャートは上記のような音楽がほとんどな現状です。

それでちょっと音楽に詳しい高校の軽音部や、ちょっと尖った女の子、ちょっと頭いいマイルドヤンキーたちがご機嫌斜めになっております。

「最近の音楽はつまらない。CDはオタク向けの商品じゃない。実力がある人たちだけのチャートを作って欲しい」などとのたまわっておられるわけです。

 

まあ、毎日リバティーンズとオアシスを聴きながら寝不足の頭痛を抱え、ちょっと長めの電車通学のなか憂鬱な思いで駅への階段を上っていた経験のある僕にも個人的にも色々と思うことがありまして。(夜中に泣きながらジェームスブレイクや10ccを聴いていました)

 

9月末からSpotifyという素晴らしいサービスがついに日本で展開され始めたましたね。

それもきっかけの言い訳として、細々と恐る恐る自分の考えを書いてみようかなあと思いました。

 

「最近の音楽は・・・論に対して -Spotifyからみる現代音楽メディアのありかた-」2016年10月26日明朝

 

僕は最近の日本の音楽をあまり聴かないのでSpotifyでそれらがどのように扱われているのかわからない。しかし、EUやアメリカを中心としたいわゆる洋楽はほぼ全てのレーベルからSpotifyは許可とっていてSpotifyの上で聴くことができる。

違法ダウンロードでもコピーでもなくきちんと再生回数に応じてSpotify全体の広告の売り上げからアーティストにお金が入るシステムが成立している。

海外に住んでいた時、Spotifyでかっこいいバンドを発見し、Spotifyのインターフェースに表示されるライブ予定をみて近場のライブ現場に実際に行ってみたら、観客20人ほどしかいなかったという経験もある。そんなローカルバンドまでSpotifyは網羅しているのだ。

トムヨークのような何らかの思想や理由がある例外を除けば、Spotifyで音源配信をしていないアーティストはほぼいないと言っていい。


流通に乗らないクラブミュージックをはじめとした自己満足型の音楽やってる人たちも、発信する意思があれば、SoundCloudなどで自身の音源やその日のDJのセットを発信してる。
ロックのライブ動画のようにアーティストのとっておきのセットを見て、クラブにいるような疑似体験を欲するのであれば、YouTube上で展開されているboiler roomやdommune、mixmagなどの幅広いクラブミュージックのプレイを公開するプロジェクトを利用すればいい。

 

音楽を聴きたくて音源を買ってアーティストにお金を払う時代ではないのだ。
CDのような小売の音源メディアがアーティストとリスナーの媒体ではなく、ウェブ上の音楽公開サービスが媒体になってる時代である。
サービス展開してる企業にお金を払うこともあるが、ほとんどのサービスは広告で利益を生み出してるためお金を払う必要ない。この時、音楽作品たちは、商品ではなく広告のために人を集めるためのものであり、音楽作品そのものが利益を生み出すメディアになってるということもできる。


となると、CDなどの音楽メディアを買う理由は作品やアーティストへの所有欲となる。
音質にこだわるという人もいるだろう。しかし、CDプレイヤーをわざわざ持ち歩くか、自分の部屋にアンプまでこだわったオーディオシステムを持ちCDで聴いている人など少数だろう。

なにより彼らが本当に音質にこだわるのであればCDではなくハイレゾという革新的な規格が用意されている。
MP3という音質悪化の圧縮を宿命とする規格を音源とし、iPhoneiPodウォークマンなどのポータブル機器に内蔵された子供騙しのちゃちなdacやアンプで音楽が再生される環境ではCD音源を手元に持つことに拘る意味もほとんどないと言っていいだろう。

Spotifyで聴くことができるのに、ハイレゾで高音質の音源が用意されているのに、わざわざ小売の音源にお金を払う人たち、彼らがタワーレコードhmvや中古レコードショップに通う理由は主に一つである。(DJをしていたり、CDありきの自慢のサウンドシステムを持っていたり、これだけデータベースが充実してもまだハイレゾ化していないニッチなアーティストの音源を求めているなら別だが。)

物欲つまりは所有欲。彼らは買い物がしたいのである。

その場合、買う商品としてCDよりもレコードの方が物欲がくすぐられ、コレクションとしても優秀である。またハイレゾはCDよりも高音質という謳い文句を掲げているが、レコードの音の温かみや厚みは、レコードがハイレゾと音源として差別されることを助けている。

最近ではレコードプレイヤーが奏でる音をハイレゾとして録音する機器まで登場している。

近年のレコード市場が再加熱した背景にはこのような事情があったのである。
CDは、その音源メディアとしてのスペックの限界と小売するものとしてのハード商品の性質から、現代の音楽産業では不要なものとなりつつある。

CDの売り上げランキング(もはやそんなものに意味などないと思っているが)の上位を占めるのは、商品として付加価値をつけたAKBグループ、子供と大人という前世代的消費者を対象とし中間層の現代を生きる若者を対象としないジャニーズなどのアイドルグループ、二次創作や名もなきアマチュアの姿勢からの創造物としての可能性を広げる挑戦を続けるボカロ、地下アイドル、二次元系グループなどである。

彼らは、若者と音楽を通して繋がるためにCDを用いているのではない。

あくまで、自分たちのグッズの一つなのである。


CDが売れないことと、最近のヒットチャートの質への極私的かつ主観的な感覚を安直に結びつける意見がネットでもリアルでも散見される。

CDが売れなくなったので音楽の質は下がり音楽はつまらなくなったと彼らは決め付けている。しかし、その意見は、あまりにも安直すぎるのではないかというのが僕の考えである。 終

 

現在の音楽の質が高いのか低いのか話はまたの機会にしたいと思います。

Huluの会員だけれどもCDやHuluにないDVDを借りにツタヤに行ってるロックンローラーたちは、HuluよりもSpotifyの会員になった方がいいんじゃないかな。

Huluにない映像がTSUTAYAにあることはあっても、Spotifyにない音源がTSUTAYAにあることはほぼないから。いわゆる洋楽での話だけれど。

久々の更新でした。

おやすみなさい。